<事案の概要>

〇相談者様は、結婚していて夫と子どもがいるが、家計のやりくりや子どもに関する出費不足を補うために借金をした。

〇夫には借金のことを話しておらず、夫に知られずに破産手続きをしたい。

〇相談者様の財産は預貯金、かけすての保険、それと通勤に使っている車がある。

 

<解決に至るまで>

自己破産同時廃止事件として手続き処理を進めていくこととなりました。

まず、ご主人に知られずに自己破産の申立てを行うためには、次のようなことに注意しなければなりませんでした。

①依頼者宅への郵便物を極力控え、やむを得ず郵便をお送りする場合には差出人名を個人の名でお送りすること 

・・・連絡には細心の注意を払い、時間帯なども含め最大限の配慮を努めました。

②裁判所へ提出する家計収支表の作成は、同一世帯で生活しているもの全体のものが必要であること

・・・相談者様がその家族の家計(ご主人の給与や光熱費、食費等の支出)を管理しているとのことでしたので、領収書類の提出はおおむね問題ありませんでした。

  一部入手が困難なものについては、当事務所から相談者様に代わりになるようなものを提案してみたり、入手困難な事情を当事務所から裁判所へ説明したりして、事なきを得ることができました。

③破産管財人が選任される、いわゆる管財事件となる見込みが薄いこと

・・・相談者様の所有している自動車の評価額が20万円を超えるようなことがあれば、同時廃止事件で手続きを進めることができません。

  しかし、これについても、購入当時で既に中古の価格であったこと、初年度登録から7年以上経過していることを当事務所から裁判所へ説明し、実質的な資産性はないと評価されるようになりました。

 

以上のようないくつかのハードルはあったものの、結果的に相談者様はご主人に知られることなく無事に破産手続きを終えることができました。