コロナウイルスの影響による収入減、また、コロナウイルスの影響が長期化する可能性が高いことから、住宅ローンの支払いが厳しくなってくる人が出てくることが予想されます。
この記事では、住宅ローンの延滞への対策や延滞してしまった場合について紹介していきます。
1.住宅ローンの延滞への対策
最も有力な方法として考えられるのは、住宅ローンの返済条件の見直しを行うリスケジュール(リスケ)です。
収入の減少などにより、住宅ローンの返済が厳しくなった場合、金融機関に相談することで返済条件の見直しに応じてくれる可能性があります。リスケには、「返済期間を延長する方法。」と「元本の返済を猶予してもらう方法。」があります。
返済期間を延長する方法では、一般的な金融機関の場合は、最長35年のローンに延長することができます。例えば、元々の住宅ローンが25年の契約だった場合、最長で5年から10年返済期間を延長することができます。
デメリットとしては、優遇金利がなくなったり、変動金利の場合は金利が0.5~1%引き上げられたりする場合があることが挙げられます。また、月々の返済額は減りますが、その分利息を払う期間が長くなるため返済総額は増えることになります。
次に、元本の返済を猶予してもらう方法についてです。例えば、コロナウイルスの影響で収入が減っている場合に、その間は金利の支払いだけを行い、収入が回復した後にその分を上乗せして返済するという方法です。この方法であれば、最終的な返済期間が伸びないため、返済総額が増えず、一時的に収入が減った場合の減免措置としては有効です。また、先ほど紹介した返済期間の延長と組み合わせられる場合もあります。
2.延滞が発生してしまったら
状況が好転して収入が回復する場合には、延滞を少しずつ解消していくことも可能かもしれません。ただし、延滞が続くと保証会社から一括請求される可能性があります。その時の選択肢として、個人再生手続きの「住宅ローンの巻戻し」という制度があります。
一般的に、住宅ローンの返済が滞り続けると、銀行は保証会社へ保証の履行を請求することになります。そして、銀行からの請求を受けた保証会社は保証契約に基づき、銀行に対して残ローンを代わりに支払うこととなります(「代位弁済」と呼ばれています)。保証会社は、銀行に対して代位弁済を行ったあと、代位弁済した金額を債務者本人に対して一括で支払うよう請求します。
しかし、保証会社が銀行に代位弁済をしてから6ヶ月以内に、個人再生手続き開始の申立てがなされれば住宅資金特別条項を定めることができます。これが何を意味するかというと、住宅資金特別条項のある再生計画の認可決定が確定した場合は保証会社による銀行への代位弁済はなかったものと扱われます。
そして、保証会社の代位弁済がなかったことになると住宅ローン債権は銀行へ再び戻ってくることになり債務者と銀行との間で住宅ローンの契約が復活することになります。このような手続きを、「住宅ローンの巻戻し」と呼んでいます。
3.住宅の維持が困難と判断した場合
コロナウイルスの影響が長期化し、住宅ローンが払えずに一括請求をされた場合、通常は支払えない場合が多いと思われるので、最終的に競売にかかってしまいます。しかし、競売の場合は市場価値よりかなり低い額でしか売却できないことが多く、多額の負債が残ってしまう可能性があります。そこで、少しでも高く売る可能性を模索するために、任意売却という方法があります。任意売却とは、売却後も住宅ローンが残ってしまう不動産を金融機関の合意を得て売却する方法で、市場価格で売却できるので、競売に比べて高く売却できる可能性が高くなります。
それでも残ってしまった負債に関しては
破産手続きで免責してもらうという選択肢もあります。
コロナウイルスの影響により、住宅ローンを支払えるか不安な方も、既に延滞してしまっている方も、諦めずにお問い合わせください。